「こっちだよ」


不意に奥の棚から声がして、私は安堵するのと同時に嬉しくなった。


「イヴったら、居るなら早く返事をしてよ」


覗き込むと、金色でサラサラした彼の髪が、本棚の陰で光を抑え込まれながら揺れていた。


「あぁ、ごめんね。マスミ」


そう言って苦笑する彼に、心臓が加速する。