メビウス・レイン


その本の表紙は青く、彼の瞳と同じ色をしていた。


「青い涙を流す少年」


それだけ言うと、彼は本を抱えて席へ向かった。

私もカバンから返却予定の本を取り出し、棚へ戻すと彼の隣の椅子へ腰掛けた。