何も言えなかった。 赤くなった顔を手で覆い後ろを向く。 わたし・・・何やってんだろ。 変な期待してさ、バカみたい。 「琴葉?」 「あっそうだったの!?ほんとびっくりだよ。 まさか悠斗が莉緒のこと・・・ね!」 目にたまっていた涙が一粒流れる。 「なに、お前泣いてんの?」 顔を隠しているのにわかっちゃう悠斗に少しいらだって、 「違う!」 と、声を荒げてしまった。