ーもう一度約束してくださいー



桜が最後に耳打ちした。



ーあたしたちが出会ったあの日から10年後の4月16日に

 また会おうってー


ーそれまで、あたしを忘れないでー



忘れないよ、ばかだな。




「泡沫の夢は終わり、真実の物語が始まる…。」



「何、姉ちゃん。見てたの?」


「見てたわ、全部。わら。」


「何、最後のわらって!」


俺は笑った。
笑って泣いた。


姉ちゃんは俺の頭を撫でてくれた。