サクラビト~約束~




「君も泣いてちゃだめだよ。強く生きなきゃ!」


それは少年に向けた言葉であったが、自分にも言い聞かせるための言葉でもあったのだ。


たとえ、長く生きられなくとも絶望せずに、強く生きろと…。


そして、もしも強く生きられたなら、


また、会うことができるんじゃないかと。

運命をも変えられるにではないかと…。


だから、「また、会おう」なんて言ったんだ。


でも次の日、いつもの発作が起きて病院へ運ばれた。



どうせ、強く生きようとしたって


運命には逆らえないと


そう思ったから、この約束したことに後悔して、


あたしの深い深いこころの隅に封印したんだ。





「今頃思い出したって、遅いよ…。」





あたしは涙を流し、つぶやいた。