したいこと、やりたいことを聞かれてすぐに答えられなかった。
だって、自分にはもうどうでもいいものだって思ったから。
でも、この時代にきて思ったんだ。
誰かを笑顔にしたい、幸せを与えたいって。
もう、時間が残っていないことはわかってるけど…」
桜木が風に揺られ、花びらがどんどん散ってゆく。
見間違いか…、桜の姿が薄れているような気がした。
「あたしがこの桜の木を植えたんだ。10年前に…、
あたしね、1つやり残したことあること気付いたの。
この花が咲いているところが見たいってこと。
その願いが叶って、うれしかった。」

