サクラビト~約束~





不思議な夢を見た。




1人の少女が何かを丘の上に植えている夢。



よく顔は見えなかった。モザイクがかかっているようにはっきりと見えないが、少女は泣いているのだと感じた。



俺がどうしたのかと聞くと、少女はなんでもないって言った。



ただ、このさくらがいつか花を咲かせ、人々の目を奪うように大きく成長してほしいと言っていた。



俺が立派に成長しているよと答えると、不思議そうな顔をして「ありがとう」って笑った。
俺はその少女の顔にこころがほっとした。




何だろう、こんな気持ち。




少女は去り際にこう言った。
「君も泣いてばかりじゃだめだよ。強く生きなきゃね。また、会おうね。」




俺はその言葉に、生きる意味みたいなものを見出していたような。



また会おう、



その約束を果たすまで、俺は……