家に帰ると紬が俺の顔を見るなり、驚きの声を上げる。
「どうしたのその顔?!」
なんでもないと言おうとしたとき、背中で眠る桜が目を覚ましてしまった。
でも、桜の顔も俺と似たような顔であった。
姉ちゃんは「2人ともどうしたの?」と心配していたが、桜が耳元で言わないでというもんだから、「なんでもない。」を言い切った。
そのあと、どうなったのかはよく覚えていない。
いつもおいしい姉ちゃんの料理も、なんのテレビを見たのかも、全く覚えていない。
あいつが過去に戻ったらどうなるんだろうか。
俺は笑えるのだろうか。
運命は本当に変えられないのだろうか…。
そんなことを考えながら、眠りについた。

