サクラビト~約束~





「ただいま~。」



「おかえり!お疲れさま!」



配達終わりの若葉に紬が声をかける。
「お、桜ちゃん。今日もいっぱい働いてんな!顔に泥ついてる。」
鉢植えの土替えを夢中で行っていたため、知らない間に顔をこすり、付いてしまったんだろうと思う。




「わわ。ほんとですか?」
一生懸命に顔をこすっていると、違うよここと若葉が顔に触れてきた。




「あらら、何だか恋人同士みたいね!」



ボッと顔が紅くなったのが分かった。
「な、何を言うんだよ姉ちゃん!焦るだろ!」
あたしは何もいえなくなり、顔を伏せた。
紬は笑いながら、若葉とあたしに飛びついてきた。




「ごめんごめん。」
「もう~。」



こんな毎日笑って過ごしたことあっただろうか。
すごく幸せだなっと感じた。