「桜ちゃんのタイムスリップが解けるまで、ここにいなよ。」
紬が口にした。
若葉もどうせ、行くところなんかないだろと言わんばかり、引き留められた。
確かに行き場もなくて、2人の好意に甘えることにした。
その代わりに、花屋の仕事を手伝うことにした。
「そうだ、若葉。さっきの鉢植えを山田さんに届けに行ってね。事情は話してあるから!」
「了解!」
そういうと、黄色い花の鉢植えを持ち若葉が走る。
それは、あたしのせいで届けられなかったものだと気づく。
「あたしのせいで…。」
「違うわよ。あなたのせいじゃないわ。困っている人を助けることが何よりも大切なのよ。若葉は大切なことをやったまで。山田さんも分かってくれたわ。」
紬はあたしを励ましてくれたが、なぜだか晴れなかった。
紬はあたしの心情が分かるように言った。
「若葉がいないから、1人で仕事をするの大変だわ。誰かに手伝ってもらいたいくらいにね。」
「なんでもします!」
そういったあたしの頭を紬は撫でた。
「笑っていた方が、似合うわよ。」
あたしは、頷いた。

