Blackberry〜黒い果実〜

だが、そんな大丈夫なんて不確かな物は次の瞬間、粉々に崩れて消えていった。


「佐藤さんったら、またそんなこと言って。高瀬さんお飲みものは?」


そう言いながらグラスをちらつかせる彼女。
重なり合う金属音が綺麗に響く。


視線を奪われた。


見たことのある三連のブレスレット。
思い出される双葉との会話。


「……水割りで」


カラカラに渇いた喉でようやく絞り出した声だった。