Blackberry〜黒い果実〜

「……若葉ちゃん」


彩香の視線が私をゆっくりと捕らえる。


「どうしたんですか?」


ゆっくりと体の向きを変えて、私に向き合うと一度下を向いてから再び私と視線を合わせた。
その表情は鋭く何かの覚悟さえ感じさせる。


「言いにくいんだけど……。あの竜司ってホストだけは止めたほうが良いよ」


「えっ?」


一瞬、彩香が何を言っているのかわからなかった。