Blackberry〜黒い果実〜

「佐藤さんの為に、開店からいますよ」


『嬉しいこと言ってくれるねえ。そうか、じゃあ若い奴連れて行くからよ』


「はい。お待ちしてますね」


お互いに“じゃあ”と言って通話を終わらせた。
ため息を吐いて、目の前の化粧品を片付ける。


「お客さん?」


その言葉と同時に、後ろからふんわりと抱きしめられた。


「うん」


引き出しを開けて、化粧品を仕舞う。