昼休み終わり。
校庭にいた生徒たちがぞろぞろと校舎へと向かっていく。
『あたしもですけど、先輩の顔面レシーブもなかなかのものでしたね。今晩の1人反省会は盛り上がりそうですね、プ』
と先輩にラインを送りながらあたしも下駄箱へ向かった。
すると、
『お前はそもそも顔面がバレーボールだろーが。汚物、新しい顔よ!的なww
ちょっとは顔ヤセしたら?』
と返事がくる。
ムカッ!
しかし、ピュー、クルクルクル、キュピーンと
自分の顔がバレーボールになってしまった姿を想像してしまい、
不覚にも吹いてしまった。
校舎に入る時、
生徒たちの隙間、ちらっと先輩と目が合う。
その隣にはチャラそうなイケメンがいた。
あれが噂のスミスさんか。
女子たちとケラケラ楽しそうに喋っている。
みんなにバレないように、あたしがこっそりさっきのしゃくれ顔を吉野先輩にかますと、
先輩も頑張ってアゴを突き出そうと顔をクイクイさせていた。
しかし、全然イケメン顔は崩れていない様子。
ダサ、変顔入門のイノキ顔もできないようじゃ、まだまだっすね。
心の中でそうバカにしながら教室に向かった。
ん? 一瞬だけ、そのスミス先輩からの視線を感じたのは気のせいかな。むむ?

