その時、
急に顔面に衝撃が走り、視界が真っ暗に!
「ぶほっ!」
「わ、オブちゃん大丈夫!?」
ぼーっとしていたあたしは、見事な顔面レシーブをかましていた。
あいたたた。
人の輪の奥、ちらっと吉野先輩の方を見る……。
「プ」
――うわ、見られてた!
しかもバカにしたような笑いをあたしに向けている!
何かムカついたので、おもいっきりアゴをしゃくれさせて、イーッ! と口パクで伝えておいた。
すると、先輩はウケたようで、口元を覆っていた。
よっしゃ!
と心でガッツポーズをした瞬間――
先輩にも猛スピードのバレーボールが飛んできて……。
――バフッ!
「キャー吉野くぅーん、大丈夫?」
という悲鳴が先輩のクラスの輪から聞こえてきた。
へっ、ざまーみろー!

