奥の台には、カップルらしき男女がいて、
初心者らしき彼女に、彼氏が手取り足取り腰取り投げ方を教えている。
「あー的に届いたー!」「やったじゃ~ん」
などと一投するごとにイチャイチャしていた。
その様子にイラっとしながら、あたしは物思いにふけっていた。
そういえば、
ボーリングでも、スマホゲーでも、マ○オカートでもスマブラでも、
様々なことで、あたしは男子と互角に張り合ってきた。
みんなで遊ぶ時、あたしはもはや女子ではなく、
男子1名としてカウントされていたという噂も。
『え~難しいよ~これ~』と苦戦している女子に、
男子がレクチャーをして、それで2人がいい感じになっていくケースも何度か見てきた。
おそらく、先輩の連絡先を知りたがっていたクラスのミーハー女子たちは、
きっとこの部類に入るのだろう。
演技してでも目当ての男に教えてもらってそうだ。うわーゲロプー。
でも――
そういえば、今まで、あたし、男子に甘えたことあったっけ?
口ゲンカでだって男子と互角に張り合うし、お前、かわいくねーな! と面と向かって言われたこともあった。
これもあたしがモテない1つの要因なのかもしれない。

