「くそ、あと少しだったのに。お前の邪魔さえなかったら……」
「どっちみちあのペースじゃ、もう無理でしたよ?」
2人で腹をさすりながら、カレー店を出る。
駐輪場に停めている、先輩の原チャのもとへ向かった。
先輩は今年に入ってから、こっそり原チャ通学を始めたらしい。
ちょうどあたしの家の近くに、親戚の家があるらしく、
そこにマイ原チャを停めているとのこと。
だから、ここ最近で頻繁にあの石畳の道で会うようになったのか。
「てか、何であたしのこと誘ったんですか? 男の子の友達とかと行けばいーじゃないですか」
「本当はスミスと行く予定だったんだけど、女子たちが『応援に行きたい~』ってはしゃぎ出しちゃって」
「で、もし食べ切れなかった場合、ダサいし恥ずかしいから、皆で行くのやめてあたしと来たってことですね。はぁ、大変っすね。イケメンさんは」
「うるせーな。ソッコーで推理すんな俺の事情を! ギガカレー、一回チャレンジしてみたかったんだよ」
ちなみに、スミスさんとは、先輩の友達の隅田スグルさん(略してスミス)のこと。
噂によると、先輩に並ぶイケメンだけど、くそチャれぇ性格のお方らしい。

