「ええええ!? いきなりそんな無理っすよー!」
「大丈夫、さくっと1学期でやったこと話すだけでいいんだし。よろしくー」
終業式で、委員会活動の報告をするコーナーがあるのだが、
何と委員長が風邪で倒れたらしく、急きょ副委員長のあたしがやるハメになったらしい。
うわー。どうしよう!
いきなり全校生徒の前で発表かよ……。
この1学期で、吉野先輩がらみで無駄にあたしの知名度が上がったっぽいので、あんまり目立つことしたくないのになぁ。
ま、1分くらいでさくっと終わらせよ。
広くて蒸し暑い体育館に、サ○エさんのエンディングの如く生徒たちが次々と吸い込まれていく。
発表担当の生徒が並んでいる入り口近くの列に並ぶと、
ダラダラと体育館に入ってくる生徒たちの中、ノリ坊を見つけた。
近くにいる1年生たちと喋りながら、1年生の並びへと向かっていく。
前みたいに話したり、ラインをしたりすることはできない。
ずきんと胸が痛むけど、ノリ坊のおかげで、自分に少しだけ自信がついたのは確かだ。
ありがとうって気持ちをこれ以上伝えられないのがもどかしい。
あたしはあたしで頑張るしかない。

