「で? とりあえず、お前は今どーなってんの? ノリ坊からちょっと聞いたけど」
「吉野さんとは? この前、変な噂流れてたけど、あれ本当?」
少しずつ人が減っていく教室にて。
結局、ヒロキ氏とミーちゃんに質問攻めにされていた。
「あーちょっと待って。整理して話すから!」
とりあえず、先輩に彼女になってと言われたこと、ノリ坊に告白されたことを伝えた。
(先輩にキス的なものをされかけたことは言えなかった……)
すると――
「うわーお前、スーパーモテ期じゃね? ま、早めにノリ坊に返事してやってよ。あいつすげー悩んでると思うし」
「それはそうなんだけど、あたしなんかがイエスとかノーとか決めていいのかな……。自分の気持ちも分かんないし、何も答えが出せなくて」
そう言って、顔を伏せると、
ヒロキ氏に「お前自身はどうしたいんだよ……」と言われ、ため息を吐かれてしまった。
だって。だって!
すぐ結論が出せるほど、あたし恋愛慣れしてないんだってば!
「えーと、吉野さんとのことは? これからどうするの?」
ミーちゃんにそう聞かれたため、
「どうするも何も、あたしが先輩の彼女とか全然考えられないし! だってこんなあたしだよ? あたしなんかが彼女って。先輩の評判、絶対下がっちゃうし」
と答えると、
ミーちゃんは困ったような表情になり、うーんと唸ってしまった。
お願いだよ。2人ともあきれないでくれよ。
こんなに男の子に言い寄られたこと今まで無いんだからーーーーー!!!

