「お前さ、ちょっと人生考え直した方がよくね?」
「はい?」
「フったんだってぇ~? 吉野クンのことぉ。信じらんなぁい!」
「は、はいいい!?」
スミスさんと一緒に自動販売機前に行くと、
驚いた顔をしたユカリーヌと花子に迎えられた。
「あれ、違うの? モモカちゃん、イケメン吉野クンと自分が釣り合わないとか超思ってそうだし。
それで思わず吉野クンのことフったんだと思ったんだけどなー」
「ちょ、勝手に推察しないでくださいよ。全然違いますから!」
首をかしげて笑うスミスさんに、反論するあたし。
聞くと、昨日の花壇前でのことが噂になっていて、
それは、何と先輩があたしに振られて、泣きながら去ったことになっているらしい。
いやいやいや、違いますって。
(しかもなぜかノリ坊とのことは誰にも見られていないらしく、何の噂にもなってないっぽい。)
吉野先輩も、気持ちが落ちているのか何にも語ってくれないらしく、噂だけがどんどん一人歩きしている状況とのこと。
「で? 吉野クンと何があったのか、教えてくれないわけねーよなー?」
急に花子に盛り盛りの目をギロリと向けられる。
「え、その……あの……」
「何かあったから吉野クンが変なんでしょぉ~? 告ったのぉ~? 告られたのぉ~?」
続いて、ユカリーヌのぱちぱちとした目があたしを攻める。
「う~~っ」
美女2人から詰め寄られ、頭の中がパニックになるとともに、
心臓が変な音で鳴り始めてしまう。
――確かに先輩と色々ありました、でも……言えないよ!
今、たぶん顔赤くなってそう……超恥ずい。。

