しかし――
「…………」
「ちょっ、どうしたんですか?」
なぜか先輩は思いつめた顔になり、そのアルバムを渡してくれない。
こうなったら。
「魔女っ子の最新号のネタバレ言いますよ!」
「は? やめろ!」
――スキあり!!!
あたしは先輩がひるんだ瞬間に、アルバムを奪いとる。
「うわっ、お前……」
なぜかテンパってる先輩を無視して、あたしはそのアルバムをめくり始めた。
うわぁ、やっぱり小学生って今見るとみんなガキだなぁ~。
部屋の真ん中の机に広げ、じっくりと見る。
「うぅぅーー……」
ちらっと後ろを見ると、先輩はうなりながらベッドに寝転がり、
あたしの逆――壁側に顔を向けうずくまっていた。
耳が赤く染まっているように見える。
どうしたのかな?
さすがに小学生の頃のだと、子どもっぽくて見られるの恥ずかしいのかな?
でも見せるためにベッドの下から出してくれたんじゃん。
気にせずあたしは、6年1組、2組のページをめくる。
まだ先輩の姿は見つからない。
次は3組……っと。
あたしはページをめくり、クラスの個人写真の中から先輩の姿を探した。
あいうえお順で、よ、よ……
吉野、風太。
あったーー!
――ん?
んんんんんんんん!?!?
目玉が飛び出る勢いで、あたしはそれを凝視した。
思わず、振り返って、先輩のうずくまった後姿を見る。
それから深呼吸をしたのち、もう一度アルバムに視線を戻した。
こ、これは……!!!

