すぐ隣にいる先輩をチラ見すると、彼もあたしに視線を向けた。
――わ、わ、わ!
星が瞬く夜空の下、公園の街灯にゆるく照らされた吉野先輩。
しかも浴衣!
しゅっと伸びた首筋や、そこに絡みつく後ろ髪、綺麗に浮き出たのどぼとけ。
普段は目にかかりそうな前髪が、おでこが見えるようにセットされていて。
ほんの少しだけ釣り上り気味の二重の目や、
しゅっと通った鼻筋、綺麗な肌とか。
――おーいおいおい、何だこれは。
改めてあたしは思った。
こいつ本気でドン引きするくらいイケメンなんだけど!!!
「何だよ。人の顔見ておびえた顔してんじゃねーよ」
「や、ほら、人は美しい物を間近にすると、感動で言葉が出なくなるっていうか」
「はははっ、何言ってんの」
わ、笑うなぁ!
更にカッコよさが増してしまう!!

