「あ、あのの、中々ラインとかできなくてごめんねっ! 普段あまりやってなくて、その、ちょっと慣れなくて!」
ボールを渡しながら、あたしは一生懸命にノリ坊に伝えた。
「いえいえ! オブチさんのペースで全然いいんで! あ、やっぱり迷惑だったりしますよね……?」
「いやいやいやいやいや! そんなことありませんから! スーパーウェルカムですから!」
スーパーテンパりモードに突入したあたしだったが。
「わー良かったです! やっぱりオブチさんって面白いですね~」
ノリ坊は嬉しそうにそう言って、ニッコリと笑った。
少し日に焼けた健康的な笑顔。
坊っちゃん、まぶしすぎるんですけどー!!!
「あの。オブチさんって、今度の土曜日、空いてたりしますか?」
ノリ坊はあたしから視線を外しながら、そう聞いてくる。
「え? その……」
やば、その日はあの神社のお祭の日だ。
どうしよう!
「ほら、県道越えたとこにある神社でお祭が……」
「あ、そろそろ部活戻んなきゃヤバいよね? 邪魔してごめんね! じゃーね!」
あたしは急いでノリ坊の言葉をかき消して、校舎側へ走って戻った。
ぜーぜー。
なんなんだこれは!
なんなんですかこれはーーーー!!!!

