イケメンすぎてドン引き!








青い空に白い雲。


フェンス奥の裏山の木々は、葉っぱの水滴に光がキラキラと反射していた。



雨が上がり、久々の晴天。


しかし、あたしのまわりにだけ、スーパー落雷警報が。



「調子に? 乗ってないですないですないです。むしろもともとそんなの無いっす!」



あれ? デジャブ?



再び体育館裏にて悪のミーハー女子軍団に囲まれるあたし。



ちくしょう……。



次の委員会で学校まわりのゴミ拾いをやるから、委員長と先生が体育館裏に来てって言ってたよ!

という巧妙な嘘にダマされてここに来てしまったのだ。



「こいつ超腹立つの! プール掃除の時に、わざと先輩の前で転んで濡れて、透けブラ見せてんだよー」



「うわーキンモー。こいつブスなくせして、超ビッチなんじゃね?」



「ってか、それ先輩への逆セクハラでしょ。うちらに慰謝料払えよコラ!」



「……う」



うあああ。突っ込むところが多すぎて混乱する! 


逆にどう反論したら良いか分からなくなってしまうほど。



とりあえず、この場から逃げ出す方法を考えないと!



しかし、女子たちの罵声は続く。



「おめー、ずっとすっぴんだったくせに、最近メイクしてるべ? 無理無理ー! そんなんしてもお前に吉野先輩は無理無理ー!」



「…………」



――あれ。おかしいぞ。



「汚物なんかに先輩が振り向いてくれるわけないじゃん。あ、臭くて振り返っちゃうってかー!」



この女子が言ってることは、たぶん違う。


先輩はあたしを友達だと思ってくれてるはず、


……なのに。



「先輩も絶対に迷惑に思ってるって、お前のこと。先輩優しい人だから言わないだけでさー」



何……この感覚。



目の前の女子たちに次々と罵倒されると、

この子たちが言っていることが事実のように思えてしまうのだ。