「うわー副委員長、超コケてるしー」
「だっせー! でも絵的にはウケるー」
もちろん、まわりから発せられたのは、
心配そうな声よりもクスクスとバカにするような声たち。
悔しさや恥ずかしさのあまり、喉がつんと痛む。
しかも、せっかく今日頑張ってメイクしてみたのに! これじゃ台無しだ……。
でも――
「モモ……オブチさん、大丈夫!?」
先輩の心配そうな声が近づいてきてしまう。
――だめだだめだ!
あたしはむくっと必死で上半身を起こした。
「あ、あはは~。一足速く水浴びできてラッキー? みたいな?」
面倒なことに先輩を巻き込みたくないし、
ここで先輩に優しくしてもらったら嫌がらせが絶対エスカレートしちゃう!
「ほら、つかまれよ」
「大丈夫ですってー!」
あたしは先輩が伸ばしてくれた手を使わずに、自力で立ち上がった。
一瞬だけ、先輩が不機嫌な顔になる。
やば、怒らせちゃったかな……と思ったが、構わず、
「じゃあプールだいたいキレイになったので、今日は解散でーす」
と、無理やり委員会を終了させた。

