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どんよりとした曇り空は、
まるであたしを取り巻く状況を表しているかのよう。
「はーやっぱクソだりぃわこの委員会」
「あ、先輩、向こう汚いですよ。ちゃんとやってください」
梅雨が近づいてきたのか、湿った空気が流れている。
そんな中、委員会メンバーたちは皆、デッキブラシでごりごりとプールの底をこすっていた。
今日の環境委員会の活動はプール掃除。
夏に向けてワクワクするような仕事のはずなのに。
あたしは微妙にビクビクしながら、ホース片手に作業をしていた。
なぜなら……
「あー吉野せんぱぁい、あたしがやりますよー」
「先輩にこんなことやらせるなんて、まじありえなくない?」
何と、2年4組のメンバーの代理で来たのは、
あのいつぞやのミーハー女子軍団のメンバー2名だったからだ。
先輩はちょっと困った表情で、いいよ俺もやるってー、とその女子たちをなだめている。
しかし、女子2名は「何の香水使ってるんですかー?」とか、「ラインとかツイッターとかやってないんですかー?」など、先輩にしつこく付きまとっていた。
先輩も先輩だ。
ま、そりゃー拒絶する理由はないし、話も受け流してはいるけど、
しっかり笑顔でその女子たちに対応している。
イケメンは大変ですね。でも、仕事はちゃんとやってくださいよー!
「ねー副委員長、あの女子たち目障りなんだけど何とかしてくんない?」
いつもの委員会メンバーにもそう愚痴られてしまう。
あーすんげーめんどくせー!

