しかし、まだまだ苦難は続く……。
「あーもう、嫌だ。最悪!」
世界史の授業中、教科書を開くと……。
ザビエルにもカエサルにもダビデ像のダビデにも、みーんな頭の上にまきぐそが描かれていた。
何て手の込んだみみっちい嫌がらせをしてくるんだ、あいつらは。
「オブちゃん、大丈夫……? 先生に言った方がいいよ」
「全然全然! こんなんチクるまでもないし。ま、そのうち落ち着くっしょ」
「お前さ、最近ちょっとげっそりしたんじゃね? 昼もそれしか食わねーの? ……俺も結構心配なんだけど」
「あ、それはダイエット効果かも。なんか心配かけてごめんっ。本当にしんどくなったらちゃんと相談するから!」
いつも通りのテンションのあたし。
それに対し、ミーちゃんとヒロキ氏は心配そうな視線をあたしに向けていた。
うん。大丈夫だ。
孤立してるわけじゃないし、心強い味方もいてくれる。
しかも、こういう女子たちの陰湿な嫌がらせは、中学の部活時代とかに客観的に色々と見てきた。
それに比べれば全然カワイイものだ。
(むしろ教科書開いた瞬間、ちょっと面白くて笑っちゃったし。)
まあ、吉野先輩とスミスさんという校内2大イケメンと仲良くなっちゃうという奇跡を起こしちゃったんだし、
その代償なんだろうな。

