違う違う、そうじゃ、そうじゃなーーい!
しかも、何でそんな色っぽい声でやばいこと言うんですかーーーー!!!
落ち着きかけた心臓が再びバクバクバクと動き出す。
「もごもごっもっごご!(違いますっ!)」
あたしは混乱した頭のまま、もごもごと叫び、
必死に先輩の手を口元から剥いだ。
もう! 苦しいんだけど!
息も胸も心も……。
「本当、すみません、もうしませんから……っ」
あたしは息切れとともにそう吐き出し、
ソファーの端っこに移動して、ぷいっと先輩の逆側に顔を向けた。
心を落ち着かせる&別の漫画を持ってくるために、一旦外に出よう。
そう思ったが。
「モモカ」
「……え?」
改めて、先輩に名前を呼ばれる。
その優しいトーンに、胸が少しだけきゅんとしてしまう。
「ユカリーヌと花子から聞いた」
「…………」
「何かあったらすぐ呼んで。やばいことなる前に何とかするし」
ちらっと先輩を振り返ると、
彼はドヤ顔で、あたしの左肩に手を置き……
そして。
「おっ、お前は黙って俺にまもっ、もっ……、俺にもまれてればいいんだよ!」
「それただの変態じゃないすか」
「ぐっ……!」

