――はっ!
先輩のつぶやき声によって、あたしはようやく気がついた。
先輩の鼓動を聞き逃さないようにするあまり、
何と、あたしはぎゅーっと先輩の胸元にしがみついていたのだ。
「わっ、すみません!」
あたしは急いで、その体からパッと離れた。
先輩は、「お前運動とかしてないし、どんどん太ってるんじゃねーの?」
と、制服越しにぷにっとわき腹をつまんできた。
「ひゃっ……ふがっ!」
「ばか、うるせーよ」
くすぐったくて悲鳴を上げそうになり、先輩に口をふさがれた。
そうだった。ここネカフェ!
これ以上ぎゃーぎゃー騒いだら、
黙々と漫画やネットを楽しんでいる他ブースの人たちの邪魔になるだろう。
あーーー落ち着け、あたし!
しかし。
そのまま先輩はあたしの耳元に顔を近づけてきて……。
「ねーもしかして、俺のこと誘ってた?」
――ホアッ!?!?

