ホルガリズム

ちょうど公園を抜けたところで、スーツ姿の男を乗せた自転車が僕の真横を通り抜けて行った。


真っ直ぐに続く細道をスイスイと泳ぐように走っていくその後姿を見送った後、道沿いにある河原へ向かって降る。


通勤途中にはよく見かける子ども達も、今頃は学校で朝のおしゃべりに夢中になっている頃だろうか。


そんな賑やかな光景を目に浮かべながら、ケースからカメラを取り出した。空を切り取っていたあの雲を、今度は僕がカメラで切り取った。