「ヤダ〜」とか「ユッキー、ウケる」とか女子の声が聞こえてくる。 そしてその子はその都度、幸成にボディタッチ。 幸成もすごく楽しそうに笑っていた。 『幸成ー!』 私はわざと大きな声で幸成を呼ぶ。 私に気付いた幸成は、何かその子に耳打ちをしてから私の方に向かってきた。 幸成がこっちに歩き出した瞬間、その子と目が合った。 と言うか、明らかに私を睨んでいた。 「おー、多恵。風邪ひかなかったか?」 『うん、大丈夫。はい、傘ありがとう。』 「おう。ちゃんと傘持ち歩けよ。」