『…え…なんで笑うの…?』
結構勇気を出して言ったつもりなんだけど。
やっぱり…こういう台詞とか嫌いかな…?
『芽衣』
少しションボリする私を名前を彼が呼ぶ。
『嬉しかった、ありがとう。
でも…俺、結構こういうラブい感じ精一杯かも…
だから…』
手で顔を隠して話す、その仕草に、本当にいっぱいいっぱいなことが伝わってきて。
私はその場でクスッと笑って、
『だから、何?』
彼の言い方を真似て、私は問いかけた。
『キス、していい?』
辺りの風が優しく吹いたところで、彼はそう言った。
『うん、私もしたい…』
私の言葉に、彼は優しいキスをくれた。
ずっと、ずっと大好きだった人。
今も、これからもずっとずっと大好きな人。
『…愛してる』
唇が離れたとき、彼は私に極上の愛の言葉をくれた。
その時、また風が吹いて、
海の潮風に乗って、
“二人で幸せになりなさい”
…そう、聞こえた気がした。
思わず見合わせた彼と私。
『俺、芽衣とならいろんなこと信じれるわ』
そう言った彼、そこには見下していた、馬鹿にしていた、そんな彼はどこにもいなかった。
『司、好きだよ』
私の言葉に、ただ真っ赤になる、可愛らしい彼しかいない。
END

