あの子のウソ






「愛ちゃん、話ってなに?」







(あなたはいったいあたしのなんなの?)







彼はそれを見ると一瞬動きが止まった







何か言いたそうででも言えなくて






苦しそうな顔をした。








「今から言うことを軽く受け流す程度に聞いてくれればいいから。

でもこれを聞いても君はどこにもいかない?」






いきなり彼の口調が変わった。





コク








「愛ちゃん、きみは俺たち紅っていう暴走族の元姫だったんだ。」







コク







あたしが暴走族の姫だったなんて



ちょっとびっくりだな...





でもなんで元姫なの?







(元姫?)







「ここから話すことはきっと君が忘れたかったことなんだ。
それでも聞くの?」







あたしが忘れたかったこと....






そんなこと言われたらためらってしまう。







はっきり言うと





怖い