「お母さんを騙して、悪いやつだなぁ」 私は自分達の部屋に向かいながらケラケラと笑った。 「真依だって、これから皆を騙すんでしょっ。私の友達をっ」 ムッとしたように由依が言い返してくる。 でもすぐに堪えきれずに笑いだした由依は、パッと駆け足になって部屋の中に入っていった。 「はい、これ制服ね」 「あ、ちょっと待って。私のも渡さなきゃ」 私はクローゼットから自身の制服を取り出すと、由依に手渡した。