「あ、えっと、こうやって一緒に帰るのも久しぶりだなって…思って」 「ほったらかしにしてて、ごめんな」 「いやいや。諒、クラブ頑張ってるもんね」 「ありがと」 「バスケの試合…また誘ってね。応援しに行くから」 私は諒の鞄に付いているバスケットボールのキーホルダーを横目に確認すると、そう言った。 諒については由依から何も聞いていないし分からないことが多すぎるから、私は必死に言葉を繋いでいた。 …この様子なら諒は由依の彼氏なのだろう。