◇゜。◆.・
王家の象徴、城の前に植えてある大樹の下に人陰が見えて来た。
「お父様ー!!」
ミュウがボルドーにブンブン手を振る。
ラルムも立ち止まり会釈をする。
「ミュウ、元気そうだな」
ボルドーがミュウと同じ瑠璃の瞳を細めた。
「ラルム様、ミュウをありがとうございます」
ラルムには丁寧にお辞儀をする。
他人から見れば分からないが、穏やかなボルドーの敬語にはいくつか種類があるのだ。
勿論、ラルムに対するそれには信頼など温かい感情が溢れている。
「当然のことです、先生。ミュウは俺の妻になるんだし、守るのが俺の役目と言っても」
ミュウが嬉しそうにボルドーと目を合わせた。
「ラルムー!!」
「うわお前先生の前で」
勢いよくラルムの腕に抱き着くという喜びようである。
「ラルムが守ってくれるから大丈夫だよ!!ねっ、安心したでしょうー?」
ボルドーは困ったように眉を下げるだけで何も言わない。
「─ミュウ、何つー図々しい発言だよ…」
ラルムもため息をついて言う。
「え、助けてくれないの!?」
「あぁ~!!そういうことではなくてだな!!」
「どういうことー?」
「危ない目に合わないようにしろよって言ってんだよ!!いちいち助けが要るようじゃ、俺も先生も命がいくつあっても足りないだろうが」
あぁそういうこと、と素直に納得してしまうのは天然なのか何なのか。
そこへ面白そうに二人の様子を眺めていたボルドーが入ってきた。
「そろそろ行きましょうか」
「はい!」
ミュウの返事で再び三人で歩きだす。
王家の象徴、城の前に植えてある大樹の下に人陰が見えて来た。
「お父様ー!!」
ミュウがボルドーにブンブン手を振る。
ラルムも立ち止まり会釈をする。
「ミュウ、元気そうだな」
ボルドーがミュウと同じ瑠璃の瞳を細めた。
「ラルム様、ミュウをありがとうございます」
ラルムには丁寧にお辞儀をする。
他人から見れば分からないが、穏やかなボルドーの敬語にはいくつか種類があるのだ。
勿論、ラルムに対するそれには信頼など温かい感情が溢れている。
「当然のことです、先生。ミュウは俺の妻になるんだし、守るのが俺の役目と言っても」
ミュウが嬉しそうにボルドーと目を合わせた。
「ラルムー!!」
「うわお前先生の前で」
勢いよくラルムの腕に抱き着くという喜びようである。
「ラルムが守ってくれるから大丈夫だよ!!ねっ、安心したでしょうー?」
ボルドーは困ったように眉を下げるだけで何も言わない。
「─ミュウ、何つー図々しい発言だよ…」
ラルムもため息をついて言う。
「え、助けてくれないの!?」
「あぁ~!!そういうことではなくてだな!!」
「どういうことー?」
「危ない目に合わないようにしろよって言ってんだよ!!いちいち助けが要るようじゃ、俺も先生も命がいくつあっても足りないだろうが」
あぁそういうこと、と素直に納得してしまうのは天然なのか何なのか。
そこへ面白そうに二人の様子を眺めていたボルドーが入ってきた。
「そろそろ行きましょうか」
「はい!」
ミュウの返事で再び三人で歩きだす。


