君と想い出をもう一度

「ラルム珍しく素直ー」

「うるせぇ」


顔が熱い。

少し本音を言い過ぎたか。

ラルムは冷たい手を頬に押しつけた。

初春の夜は、まだまだ寒い。



しばらくして、ミュウが立ち上がった。


「そろそろ行こっか!ラルム立ってー!」

「はいはい」


二人で小さい頃のように手を繋いで屋根から降りる。

なんか懐かしい、ミュウが小さく笑う。

暗いから見えないけど……ラルムといられて私、幸せなんだよ。


こんな自然に笑えるの、ラルムと一緒にいる時だけなの。


この気持ち、いつか───婚礼の後に伝えられたらいいな。


そんなことを考え、ラルムの手をギュッと握った。