でも長い間、恋の事を想っていたから
その気持ちにすぐに気づけなかった。







いつものように屋上にいる真広の所に
お菓子を持って階段を上ろうとすると






バッ!!!!





突然誰かに腕を掴まれて
バランスを崩す。




その時に持っていたお菓子が床に落ちた。








「やっぱ屋上に上がろとしてたか。」








低い声に顔を上げて犯人を見上げる。





「…恋?!?」





恋は私の驚いた顔を見て
ふふっと微笑んだ。






「さっきあいつが屋上に上がってるの
 見て、もしかしたら美優が来るかもって
 思ったんだ」
 




恋がそう無邪気に言った後、
寂しそうに顔を歪ます。




「俺以外の男と美優が一緒にいるとこ
 見ると、なんかむかつく。」






私は何て言ったらいいか
分からずに首を傾げた。




そんな私の腕を恋は引いて
強引に唇を奪ってきた。