「美羽ちゃん座らないの?」



ボーッとしてたのか春馬が心配そうに声をかけてくれる。



いけない…意識飛んでた。



でもあたしの正体もバレてはいけないんだ。



バレたらあたしが今までやってきたことが水の泡…。



「うん、座るよ」



あたしはそう言って椅子に腰を掛けた。



あたしの隣の席は赤髪の可愛い男の子だった。



でもさっきあたしが可愛いって言ったのがよほど嫌だったのかそっぽを向いている。



「龍也、子供見てぇに拗ねてんじゃねぇーよ」



そんなことを言いながらも金髪の不良はケラケラ笑っている。



笑ったら余計に怒るんじゃ…。