「響さんと飛鳥さんが望んでいることはお前が笑ってることじゃねぇのか?」



「…」



「殺したって二人は喜ばねぇよ。」



魁斗の言うとおりだ…。



何であたし大事なことに気づかなかったんだろう。



あたしよりみんなのほうが大人だね。



あたしはそこで泣いてしまった。



お父さん…、お兄ちゃん…



魁斗は、あたしのことを優しく抱きしめてくれた。



「思いっきり泣け」



「……お父さんっ、お兄ちゃん…」



あたしは、しばらく魁斗の胸を借りて泣いてしまった。