嗤わない月の下で

───そこに、彼女がいた。

雨も降っていないのに傘をさして。

そう、月明かりを恐れるように。

暗い傘の中で光る青い目。

外人だろうか、顔立ちがよく、年は13,4に見える。

すこしウェーブがかかった髪。

服はこの暑い中レースのついたドレスを着ていた。

目が合う。