TEARS【~君色涙~】

「い、いきなりどうしたの隼人!?ねぇちょっと待って…!」


さっきまでの賑わいから一辺、人気のない裏庭まで連れて行かれた私は慌てて隼人を食い止める。


その声でとっさに足を止めた様子の隼人が、ようやく掴んでいた手をほどいてくれた。


「ごめん、驚かせて」

「ううん…」


息が上がりながらも私は首を横に振る。

確かにさっきまでの隼人はちょっと怖かったけど、私を守ろうとしてくれただけだって分かるから…


「で、優衣こそ何で吉川のやつなんかと一緒に居たんだよ?」

「!あ、あれはその、マヤさんが吉川先生と一緒に来てて…二人とも友達?みたい」

「はぁ?友達?まじかよ…」


やっぱり隼人もこの事は今日まで知らずに来たらしく、まさに寝耳に水といった顔。

「ったく、姉貴のやつ…」と呆れる隼人をよそに、私は校庭に残してきてしまったマヤさんを気にしてか、しきりに後ろを振り返る。


「ねぇ、いいの?お姉さんと吉川先生を二人にして…」

「え?あー…うん別にいいよ。
姉貴も良い大人なんだし、弟の俺がいちいち首突っ込む事じゃねーだろうから。けど、優衣は駄目だ」


隼人にはっきりとそう言われてしまい、私は思わず口をつぐんだ。


私は駄目?それって…


「私が妹みたいだから……?」

「……」

「隼人にとって私はそんなに信用できない存在なの?」


私の問いかけに、隼人の目が一瞬泳いだ気がした。


あぁ私…隼人を困らせてる。
本当はこんな事言いたいわけじゃないのに。

でも何度目をこらしてもやっぱり見つからないそのボタンに、涙が零れそうになって…


「第2ボタン、欲しかったのに……」