TEARS【~君色涙~】

今も賑わう校庭内で聞こえた、隼人の呼ぶ声。

振り向くよりも先にグイ!と肩を引き寄せられたかと思うと、私は隼人の腕の中にいた。


「は、隼人…!?」

「吉川?何でアンタがここに居るんだよ」


普段はめったに怒ったりなんてしない隼人の、明らかにピリついた表情を見てビクッとする。

でもその怒りは、今目の前にいる吉川先生へと向けられていた。


私が先生と二人でいるのを見てすぐさま駆けつけてきたのか、肩で軽く息をする隼人に吉川先生がフッと笑う。


「神崎君だっけ。君も相変わらず変わってないね。
見て分かる通り君たちの卒業を祝いに来た。それだけだよ」

「んな事言って、また優衣をどうにかするつもりで来たんだろ?優衣にはもう近づくなよ!」


まるで感情的になったように、私の肩を抱いていた隼人の手にギュッと力がこもる。

この時思わず隼人の胸元へと顔が埋まり、ここで私はあることに気がつく。


「……」


ない。


隼人の第2ボタンが。