「優衣、15歳のお誕生日おめでとー!」
3月20日、水曜日。
今年も数日早い、桜の開花らしい。
教室から見える校庭では、桜の花びらが風に舞って、まるで今日という日を祝福してくれているようにも思える。
作年同様、クラッカー片手に誕生日をお祝いしてくれた二人に、私も満開のような笑顔を向ける。
「二人ともありがとう!」
「ねぇでも良いの?今年はプレゼントなくて。せっかくの誕生日なのに」
と、やや物足りなさげな様子で、みーちゃんと顔を見合わせるユカリ。
そんな二人の左胸元を、赤いコサージュの花が鮮やかに彩っている。
「うんいいの。それに今日は皆が主役だし」
そう、私たちだけじゃない。
今ここにいる3年生全員が主役の日でもあるんだ。
今日は私の15回目の誕生日であると同時に、中学の卒業式。
そんな記念すべき日に自分の誕生日を迎えられること
とても嬉しく思う。



