「う~ん、確かここにあるはずなんだけどなぁ…」


カレンダーをめくると9月。

昨日で夏休みも終わって、今日から二学期。


受験生にとってますます大事な時期に入ったとも言える朝、私はひとり胸を膨らませていた。



「あっ、あった…!」



手を伸ばしたクローゼットの奥から、ある物を取り出す。

私に抱えられ、ようやく久しぶりに顔を見せたのは…テディベア。


ちょうど一年前、隼人に別れを告げてしまって以来、ずっとここに閉まっていた。


外のケースはさすがにホコリをかぶっていたものの、中に入っていたテディベアは相変わらずあの頃のままだ。


ぐるっと部屋を見渡したあと、私は持っていたぬいぐるみを机にそっと飾ってみる。


「……」