「行くよ。弘毅と」

「じゃあどんな感じだったか教えて。参考にするから」

「分かった」


??

何やらもう既に話が決まっているのだろうか。

再び目線を戻した様子の隼人に、私は思い切って聞いてみる。


「ね、ねぇ隼人。見学ってもしかして高校の?」

「え?あぁうん。学校説明会始まってっからさ。実際見に行って本当にそこにするか決めようと思って」


へ、へぇー


学校説明会?

そんなのあるんだ…知らなかった。

私なんて今目の前のことでいっぱいいっぱいなのに……


「す、凄いね隼人は、色々ちゃんと考えてて…」

「……」


ちょっと目を離せば、隼人はどんどん先へと進んでいってしまう。

それに比べて私は……


「…優衣も行く?」


ついまた焦って落ち込みかけそうになっていたら、隼人がボソ…と口を開いた。

思いがけないその言葉に私は顔を上げる。


「え…?」

「優衣ってまだ志望校決まってねーんだろ?なら今度の土曜、俺と弘毅の3人で西高見にいかね?」

「!えっ い、いいの?あ、でも私…」


西高は…


と、とっさに気づいて遠慮しようとしたら、隼人はなんてことない様子で笑ってくれた。


「とりあえず見に行くのは自由なんだしさ。他の学校選びの参考にしてみりゃ良いんじゃね?」