「ねぇ隼人。なんでこの答え②になんの?意味不明なんだけど」

「隼人ー、俺にも教えて」

「はいはい」


自分の勉強もあるのに、ユカリにもせっせと教えようとしてくれている隼人。


ここにいるメンバーの中じゃ実は一番子供っぽかったはずの隼人が
なぜか今では手のかかる従姉弟にすっかり世話をやく、まるで面倒見の良いお兄ちゃんのようにさえ見えた。



「それで優衣は?
優衣もどっか分かんねーとこあるんだろ?」


しばらくそんな隼人の動向をじっと見つめていたら、隼人に声をかけられた。

私は一瞬「え…」と躊躇しつつも、正直に白状する。


「実はここと、ここがよく分かんなくて…」

「じゃあ今そっち行くわ」


わざわざ席を立った様子の隼人が、今度は回り込んで後ろから丁寧に教えてくれる。


…まさか隼人から勉強を教わる日が来るなんて今でもまだ変な感じがするけど

おかげでちょっとずつ、自分一人じゃ解けなかった問題が少しずつ分かるようになってきた。