「え、つかどした?一人でんなとこ居て。帰んねーの?」

「あ…っと」

「それとも一緒に帰る?」


隼人のその言葉に、それ以上の深い意味などないことは純粋に分かる。

でも今はまだ正直、帰りたくない…。


家に着いたら今度は親から何か問いただされるんじゃないかと思ったら、自分自身が原因とはいえ…さすがにちょっと気が滅入りそうだった。



「……ううん。今日はまだもう少しだけ学校にいる」


気の利いたような返事も今は思い浮かばず、適当に笑ってごまかした。


隼人の顔を見てたら何だか泣いてしまいそうで
クルッと慌てて背を向き直したとき、とっさに持っていた1枚の点数表が手から滑り落ちる。


あ…


「?なんか落ちて…」


不運にもそれは隼人のいる方までなびいて止まり…

ふとそれに気づいた様子の隼人が床へ屈みこもうとしたとき、焦った私はこう叫ぶ。


「だめ!見ないで!」