ゴンッ!!


「!!!」


「優衣!?」

「ちょっと優衣、大丈夫?」


突然のことによろめいた私に、二人のぎょっとした声がする。


…い、痛い。

何で教室にいきなりサッカーボールが…。


わけもわからず、ただジンジンと痛む後頭部を必死に押さえていると
後ろからあいつの声がした。


「あ、ワリぃ!
弘毅にパスかますつもりが、外しちまった」


ちょっとバツの悪そうな顔をしてこっちを伺ってきたのは
同じクラスの――神崎 隼人(かんざき はやと)


隼人とは小5の頃からクラスが一緒だったこともあって、おなじみの仲だったりする。


「ちょっと隼人、昼休みに教室でサッカーとか危ないでしょーが」

「だから悪かったって。おい栗原、大丈夫か?」

「う、なんとか…」


乱れた髪を直しつつ、若干たんこぶが出来た気がする頭を手で押さえながらよろよろと起き上がる。


…隼人って昔からよくこんなことばっかして先生に叱られてたけど

中学に入って少しは落ち着くかと思ったら
全然変わってない。