TEARS【~君色涙~】

隼人に案内された私は緊張しながらも、部屋に足を踏み入れてみた。


「お、おじゃまします」

「狭いけど、適当にくつろいでいーから」

「うん!あ、荷物ここに置かせてもらってもいい?」

「いいよ」


わ、わ……

ここが隼人の部屋かぁ。暖色系?

いつもここで勉強したり、くつろいだりしてるんだね。


隼人のことだからもっとこう、こちゃっとしてるのかと思ったのに

片付けすぎず、でも散らかしすぎでもない、ごく普通の男の子の部屋って感じが逆に隼人らしくて良いなって思った。


いつまでも立ちぼうけの私に、隼人が気を遣ったように声をかけてくれる。


「とりあえずどっか座れば?疲れたろ」

「あ、うん、じゃあ…」


どうしようかな。

そう思ってしばらく辺りをキョロキョロしていたあと、私が何気なく腰かけたのは……


「隼人の家のベッド、ふかふか~」

「……」

「…って」


はっ…!

私ってば今、自分の部屋にいるようなノリでつい……!


「ご、ごめん!勝手に座っちゃだめだったよね!」

「あ、いや全然いーよ。いいけど」

「……」

「つーかさ…」


そこまで言いかけて、立ち上がろうとする私を制止するように隼人が隣に腰かける。

そして私の顔を覗きこむようにして、こう聞いてきたんだ。


「なぁ、もしかして狙ってやってる?」

「?」

「なわけねーよな…」


と、なぜかハァとうなだれる隼人の後ろで

この時ふと、棚に置かれていたデジタル時計がちょうど12:00に切り替わるのが見えた。


あ……